The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

お米のおいしさと天日干し②

この、いわゆる天日干しですけれど、コーヒーに例えれば、伝統的なナチュラル製法みたいなもんです。

それも(イエメン地方の)モカの伝統的な製法がそれにあたるように思います。

これはお米の場合ではありますが、はざがけしている間、全く雨が降らず乾燥していればいいかというとかならずしもそうでないように思います。すぐ乾くでしょうけど、おそらく天日干しらしい風味は控えめになりそうに思います。

もちろん、雨続きだったら最悪です。なかなか屋内に取り込むわけにもいきませんから、そのタイミングで収穫した分は全滅とまではいかなくても、品質的には劣化したものになるはず、これはまずい。

では理想的な条件があるとすれば何か。それは少しだけ小雨に当たって、一晩過ごして、翌日は晴天、それから少し乾燥した天気が続いて、またちょっとだけ雨に当たって、乾燥してというのをある程度繰り返して、相応の期間をかけて最終的に仕上がる状況にあるケースと思われます。

何がいいたいかというと、酵母をはじめとする有益な微生物が稲穂の中で十分に活動できる環境が整った期間がある程度ないとおいしくならないだろうということです。

実は、穀物が実りつつある間も酵母菌などの微生物は活動していますから、天日干しでなくても、穀物の風味にはこれらの微生物は介在しているはずなのですが、それを最終的に完成させるのが天日干しに相当とする期間なのではないかと思うのです。

そういう意味では、天日干しをしないコメも、天日にさらさないコーヒー豆もある意味では未完成、とさえ言えるのではないかと思っているのです。