The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

Artisan as a Cooking tool 3; making of the cram shell pasta

今回、たまたま、はまぐりの親戚みたいなホンビノスとかいう、大型の二枚貝を久しぶりに大量にお安く見かけたこともあり、面白そうなのでついでにパスタにして測ってみました。いわゆるコスパでいってもパスタ弁当より安く作れそうなくらいでしたし。

茹でている間はほぼ100度ですが、うっかり肝心のソースが干上がってしまわないようにソースの温度を測りながらやってみますと、泡が立って、いっけん沸騰しているように見えても、貝に火を入れている段階ではほとんど80度台前半から外れないんです。それもピッタリ80度少し超えたくらいで収まっています。これはソースのベースに使ったワインのアルコールが蒸発している影響でしょうね。

途中から100度近くになっているのは実は茹でている麺の方に温度プローブを移したからと思っていたら、たぶん、その前に最後のシェルが開いていまして、その頃、ほぼアルコールが飛んで温度が急上昇しているみたいです。もう少しと思っているうちにあっという間に干上がってしまうことがあるのはこれが原因でしたね。一般によくやるように、途中で塩が入った茹で汁をソースに足さないと危ないです。麺は8分ほど茹でてから、ソースと合わせて1分少々加熱。そこから、味を整えたりしながらのトータル12分です。麺が茹で上がる間に貝から身を外しています。このあたりは身が小さなアサリと違って、短時間で済ませられてよい。

実は、まるで高級マーガリンみたいな風味に失敗したーと思っていたフランス製の発酵バターを今回初めて料理に使ってみた、のですが、なんと、アサリと違って、本当にあっさりとした風味の、ほとんど味がないと思われかねない、このごくごく淡ーいこの貝のソースにはピッタリでした。これ、一般のミルクくさいくらいの国産だとバターの風味に負けてしまって、ほとんどだいなしになってしまって、倍量の貝を使ってもどうにもまとまらないところです。

これに、パルメザンと取り違えて購入したイタリアフランス製のチーズ(熟成が足らないのか普通の生っぽかった。開封後は冷蔵庫の中で固くなりましたけど)を無理やり削って少しかけると、おお、本当に初めての味。いかにも岩塩を使った感じのチーズです。ちょっと塩辛くなりますが。以前割安な代わりにひょっとして味の素を使って味を補強したんでは無いかというくらいの大味の36ヶ月長期熟成をうたうパルメザンチーズを購入してしまって、あまりに固くて削れない上に、なかなか減らなくて消費するのに困ったものですけれど、今回は値段も控えめだったし、これは割といいかも。国産だとどんなにたくさん量をつかっても満足しないことが多いけど、こちらは使用量は数g位のごく僅かでいいんです。これにほんの少しだけ、黒胡椒をかけると、なかなかいけます。今回は少し昔に買って風味も落ちた胡椒でしたけど、なぜかこれくらいがちょうど良さげ、マレーシア産とかインド産の新しい袋もストックしてあるんですけど、そういうのだと胡椒の風味が強すぎて負けそう。

バターは、欲を言うと、グラスフェッドであって欲しい。フランス産でそう言うのはこの辺では手に入らず。あっても超高価。とはいえ国産だとさらに生産量が少なくて、入手はもっともっとさらに難しい。自分としてはそこまでせずともNZでいいんです。季節で風味が変動するので、当たればなおさらですけど、120%ハッピーなはず。コーヒー豆で言えばなんでしょうか。ブルーマウンテンよりケニア、いやちょと違うか。せいぜいグアテマラタンザニアくらい??

チーズに限らず乳製品、酪農製品、精肉は新大陸、南北アメリカ産で安くていいものはいくらでもありますけど、地方の丁寧な作りのものはその小さな町からほとんどでないくらい希少であったり。アルゼンチン産の牛肉なんてもうまったくといっていいほど、現地でないとまず手に入らないので、日本では諦めるしかない。で国産いいものはさらに、輪をかけて品薄。なので、こちらはある程度伝統的な作り方を守りながらも量を生産しているおフランスかヨーロッパのどこかの本物のパルメザンを入手して久しぶりに使ってみたいところ。本物はなかなか減りませんのでそんなに贅沢とも言えず。そもそも国内ブランドのチーズも原料はほぼ輸入ですからね。今回試したものを冷蔵庫で熟成させつつすこしずつ消費すればちょうど良いかも。

使用したワインは間に合わせの白のあまりでしたけど、封を切って時間も相当経っていたので香りもなく、水に近いくらい風味の薄い元ワンコインが、逆にまったく癖がないので、却ってバランスは良かったみたい。お高いものがいつもベストマッチということはいえないのかもしれません。今まで日本酒とか紹興酒とか焼酎とかいろいろ代用を試みていますけど、やはりこういう料理には本物のワインかおねごろの範囲でぶどうジュースでない輸入ワインの中で選ばないと厳しい。

グラフで沸点が100度超えているのは塩を入れた影響のようです。火力で少し温度が高くなったりしていますので、温度を見れば大体の火力もわかりそうなくらい。ちなみに使用したバターは無塩です。有塩は塩辛く感じて食べられなくなりつつあります。

途中で茹で汁を加えた影響までははっきり記録できていません。