The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

温暖化の効用とコーヒーベルトのシフト

このまま地球温暖化が進むと日本もコーヒーベルトの下にかかるようになるんでしょうか?

地球温暖化というのは本来、少なくとも数万年から十数万年単位の変化のはずで、自分の生きている間に実現することではなかったはずです。

ところが現在、世の中を騒がしている化石燃料の消費に伴う、温暖化はそれをおそらく加速してくれている、現在の温暖化の傾向、くろちゃまめとしては実は内心歓迎しています。

一方で、地球温暖化ビジネスの茶番というのも言われていますが、こちらはこちらで、くろちゃまめとしては、肯定的です。

だって、人間が好き勝手してきて、地球を荒らしてきた過去を反省して、見直そうとする動きだと思えば、反対することではありませんからね。

日本もうまく立ち回って、温暖化ビジネスで吸い取られないように用心して欲しいと思いますし、逆に、地道に磨いてきた日本の省エネ技術で世界の途上国に貢献して感謝されつつも、ほどほどに儲けて欲しいと思います。

さて、本当にここで日本の本土でのコーヒーの商業的栽培が実現性があることか検討してみましょう。

自分が中学生の頃までは米の栽培ができるのは北海道の函館あたりから南が北限でほとんど飼料用にしかならないというのが常識でした。

それがどうでしょう。わずか半世紀足らずのうちに、今では北海道のお米もブランド化していますし、相当広い地域で作られるようになっているようです。

また自分が幼い頃はほとんど輸入した原料がベースの風味のないワインしかなかった日本でも今では世界的に評価されるワインが少量とはいえ、当たり前に生産されているようになっています。こちらはいいものはもちろん、原料から日本産です。

コーヒーの栽培も栽培方法の改良や品種改良によって同様なことがあり得るでしょうか。答えはYESだと思っています。

海に面した産地でもそうですが、ハリケーンや台風の影響が少なくなるのは、メリットです。ただこれは温暖化で台風の勢力が拡大していることを思えば心許ない。

ということはしっかりした建物で囲ってしまえばいいのです。

今ではヨーロッパの小国の後塵を拝してしまっていますが、ここで活躍するのは野菜工場や植物工場の技術です。

もちろん屋根や壁にはソーラーパネル。昼間は適度に採光しつつ、シェードツリーの代わりになります。おまけに電気もついてくる。そしてこの電気を使って、日照をコントロール、LED照明の登場です。こういうのってほとんどまだまだ日本が得意な分野の技術が生きる世界です。

日本は世界の他地域よりも有利な条件の一つは温泉の排熱など、地熱が豊富なこと。

本格的な地熱発電をするほどの投資でなくてもコーヒーを霜で凍らせない程度であれば、少し地面を掘って、地下水を利用する程度でも、なんとかなるみたいですし、それこそ、エアコンなり、ヒートポンプなり使えば良い。この辺りも日本のお家芸と言っていい分野です。普通の露地栽培や温室だと、問題になりそうなのは湿気対策とか、水捌けなんですけど、これもコーヒー工場化してしまえばまったく問題ないです。

あとはなんでも、世界一を目指せてしまうような日本人の真面目さがあれば、ブルーマウンテンやエスメラルダにも負けない品質を実現するのはほとんど時間の問題ではないかと思います。流石にそこまでの単価が取れれば、経済的にも十分にメリットがある。つまり採算は取れるはずです。

うまくすれば実際の産地の数倍のスピードと収量を実現することもできるし、輸送による劣化が全くと言っていいほどなく、日本のコントロールされた環境で好きなように精製できるわけですから、あとはどうやって産地の気候を再現するかという部分が肝となると思いますが、これについてはかなり楽観的です。日本は冬は九州ですら十分凍るほど寒くなるし、東北や最近では北海道まで夏は十分に暑くなる。

日較差、1日の中の昼と夜の温度の差をどうやって取るかですが、これもバッテリー技術の発展と低価格化が追い風になると思います。

ですから、そこそこの空き地や空間と、理想的には地熱や排熱が有効利用できる条件さえあれば、日本全国が栽培適地になってもおかしくない。

単なる空想でなくて、ギリギリ自分が生きている間に実現できる話だと思っています。

ということで、21世紀のコーヒーの北限は日本列島まで伸びる予定です。