The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

復活の呪文 頭文字L

ところで、コーヒーに限らず、飲食関係で仕事をされている方にとっては味覚の問題は死活問題ということでいまだに戦々恐々とされておられる方もいらしゃるかと思いますので、ちょっとした情報をここにあげておきたいと思います。

味覚の回復に亜鉛成分の摂取が効果的という話があり、中にはサプリの形で予防的に取られている方などもいらっしゃるかと思います。

また亜鉛の含有量が多いということでたとえば牡蠣などの食材とか、牛の肩ロースとかそういうものを食べてなんとかしようと苦労されておられる方もいらっしゃるかもしれません。

はたまた、お医者さんのお世話になっている方も当然いらっしゃると思いますが、朗報です。

ちなみに亜鉛といいましても、単体の金属としての亜鉛を摂取しようとしてもうまくいきません。

人間の体にスムーズに取り込まれるのはやはり塩化物の形が一番。それと、あまり濃度が高すぎてもかえってまずい。

もっといえば、わざわざ消化のプロセスを経ないで、肝心の鼻の部分にピンポイントで働きかけられればさらに効率的で、体に無用な負担をかけるリスクもなく、いいわけです。

で、自分なりにいろいろ当たっておりましたところ、

結局、一番、安全で確実な方法は、塩化亜鉛を含有している、とあるマウスウォッシュ液を使うことです。

具体的に商品名を言ってしまいますと、ズバリ、それはリステリン

それも紫の色をした薬用リステリンでないと意味をなしません。

この原液にはちょうど治療で使われているのと同じ、0.1%濃度の塩化亜鉛が含まれております。

しかも、リステリン自体、大元はインディアンの処方と言われるくらいマウスウォッシュとして相当の昔から北アメリカでは定番なのです。つまり万が一、小さな子供が間違ってごくんと飲み込んだとしても健康被害を心配する必要がない程度の安全性が認められている。

さらにこれまで何億人というレベルで使用されているものですから、毎日、それも1日3回以上継続して長期間使用しても実質無害とみなして構わない。他のいかなる医療品や健康食品と比べても安全性が高いことが証明されている商品なのです。そして口の中に含んで問題ないということは少量を鼻のみに適用したところでさらに問題が少ないと思って良い。口からある程度の量が鼻にまわることは口腔内が繋がっていることを思えば当たり前のことですから。

ですから、これをすこしだけ綿棒に沁み渡らせて、鼻の奥にあたるところまで優しく差し込めば、それだけで、自力で治療できてしまいます。できれば細めのタイプの綿棒をご用意ください。

単に鼻先に自分で綿棒を突っ込むだけですので、医療行為にあたることもなく、法律的にも特に問題ない。

力加減を間違って鼻血を出さないようにだけ気をつければ良いのです。

香料の働きもあって、気のせいかそれだけで一回でスッキリします。

それこそ綿棒を突っ込むのさえも面倒な方は、ごく普通に口をゆすぐだけで、自然にある程度の量は鼻の方に回るのでそれだけでも十分かもしれません。この場合、ごく普通に食後にマウスウォッシュするだけ。

多少は個人差はあるでしょうし、通常でも何もしなくても時間が経てば回復するのは確かなことかと思いますが、これを1日、2回から3回程度、10日から2週間も続ければ、日常生活に支障ない程度には短期間で回復する。少なくとも自分の場合はそうでしたし、そう信じて希望を持っていただいて構わないと思います。そのあとはゆっくりとした変化になると思いますが、お試しあれ。薬用リステリンだけでも3種類ありますが、使えるのは2種類。

リステリン® トータルケア プラス(エタノールいり)

リステリン® トータルケア ゼロ プラス(エタノールなし)

お好みでどちらでもいいと思います。

コーヒーと鉄分の不健康③

ついでに言いますと、塩分につきましては、普段、WHOの勧告とか厚生労働省の推奨とかまったく気にしていませんで、ラーメンの汁さえ、結構飲み尽くす時は、飲んでしまったりしますけれど、いまだに血圧は深呼吸すれば悪い時でも大体上を120台まで落とすことができます。外出先の病院でもOK。これができないのはかなり強度のストレスにさらされているときだけです。40代の後半に入るまでは、ぴったり100というところまでなんとか落とせたのですが、さすがに今は無理。体調が良くてたまに110を切る程度でしかありません。

健康のためというわけではなく、もともと田舎育ちで食物繊維が多い野菜を摂るようにしてきた(食物繊維の量だけ言ったらたぶん、日本人の平均の2倍以上。)のでナトリウム分は自然に排出されやすいはずですが、なにかの防衛反応がでてきたのか、味噌も醤油も減塩でないとなんだか塩辛く感じてしまうようになったのと、なんか頭の芯が圧迫されているような気分になりまして、これ、なんだかわかりませんけど、やっぱりコーヒーの飲み過ぎでなければ加齢の影響ですかね。実は市販の減塩みそとかでは飽き足らずに、塩分3%以下の味噌を作ってみたりしています。

実は完全な無塩タイプも成功しておりまして、ちゃんと味噌らしい風味も出るんですが、やはり塩気がないと、味噌というより単なる豆のペーストにしか感じませんでした。香りはパン様のイーストを使ったりすれば本当に上等なパンだねみたいな風味も引き出せないこともないんですけど。

たった3%程度の塩分量の味噌でも使いすぎると、たまにちょっと塩辛い。その他の食べ物も使用する塩分を一般の4割程度に抑えて作ってあっても、粉もんとかパンとか少し多めに食べると、塩分(ナトリウム?)アラートが頭の中で鳴り響く感じです。

さらにはコーヒーも一部の浅煎りとかだと、微妙に塩化物の成分を感じて、なんだかかすかに塩辛く感じたりします。それをいえばそばやうどんも茹でる時のお湯の量をケチると相当塩辛い。西洋のパスタも茹でる時に使うのは一般の塩分使用量の3割から4割くらいに抑えないと我慢できなくなってきたり、たまにふやけるのを覚悟で塩抜きで茹でてみたり。

玄米も、健康のためではなくて、むしろ好んで食べているわけですが、そのほかにもいろいろあって、ちょっとめんどくさい。でも仕方がありません。

いつの間にかそうなってしまったのですが、いずれもコーヒー中心で口に入れるもののバランスをとっていった結果かもしれませんのでいまさら、後戻りしようとも思えません。

コーヒーと鉄分の不健康②

コーヒー用だけでなく、調理にはフッ素加工した調理器具は使わないので、いつも油はあまり気にせずたくさん使っています。そのせいかわかりませんけど、LDLの値はいつも少しだけ、正常値からわずか10未満くらい外れていますけど、ほとんど測定誤差の範囲ではないかと思っていますし、もう十数年以上くらい、というか覚えている限り、成人してから最初に健康診断を受けた頃から、何回健康診断受けても、150以下 145±4くらいにおさまっているので、要注意マークがついても全く気にしておりません。

肝臓のガンマGTPも同様に、正常値から少しだけ外れた高めの数値で長年安定していますけど、悪化傾向はありませんので、こちらも特に気にしておりません。

こちらはひょっとしたら、コーヒー飲み過ぎの影響がわすかに出ているかもしれません。クリアな中煎りのコーヒーだけを飲むようにすればひょっとしたら改善するかもしれないとも思うのですけれど、おそらくですが、たぶん少々姿勢が悪かったりして、自分の体が軋んでいるのが数値に表れているんでしょう。アルコールは基本下戸で料理のついでに嗜む程度ですから。

 それから結構、甘いもの、きらいではないんですけど、血糖値は現在検査の絶食時で85くらいです。若い時分は65-69とか、70切るところまで低いこともあったことを考えると、今、自制が効きにくくなって、少しだけ甘党になっているのが数値に出ていますね。何せ、HbA1c【ヘモグロビン・エーワンシー】はかつて、5.6あたりを記録していた記憶があるんですが、今。ほとんど甘いものを食べた自覚がない時でも、測ると6.1とかなので、ひょっとしたら加齢の影響で糖分の処理能力が落ちているか、単純に自制が効かなくなって、糖分を摂りすぎているか、です。
あるいは単に食べたのを忘れているだけなのかもしれませんけど。

こちらはコーヒーの醸し出す、微かな甘み程度で満足していることも多いので、大体正常値の中央値あたりを維持できています。

 

コーヒーと鉄分の不健康①

コーヒーは食事から1時間以上空けた方がいいとか、15分は最低あけましょうとか色々な説があります。

食事の前後のコーヒーが栄養学的にみてあまり良くないという説の根拠はコーヒーの成分が食物の鉄分と結びついて排出されてしまうからだと言われています。

そのため、特に女性の場合、鉄分の欠乏につながりやすいと言われています。

レタスなど野菜をたくさん摂ったところで、コーヒーを飲んでしまうと全てご破算になるというわけです。(しかし、ごあさん、といれてゴアさんを変換候補にあげるなんて、今の変換エンジンは完全に日本語初心者の外国人みたいですね。自分がわざわざこういうことを繰り返し書いているのはいつの日かAIが読み取って、日本語変換エンジンの改良に活かしてくれるんじゃないかと期待しているからなんです)

特に、その対策というわけでもなく、自分がフッ素を使ったテフロンコーティングのフライパンが嫌いなだけなのですが、もう、30年以上、ほとんどの料理は鉄の厚手のフライパンか鉄製の中華鍋を使用しておりまして、たぶん、私の場合は鉄分の過剰摂取気味です。

ですから、その余分な鉄分を排出するためにも、コーヒーは必須です。

そのせいか、自分の場合、ふらっと倒れそうになったり、貧血気味に感じることは滅多にない。

ほとんど食事を取らずに、コーヒーだけを飲んでいるとちょっと眩暈がしてくることは稀にありますが、カフェイン中毒の可能性の方が高い。

ちなみにいままで貧血で倒れそうになったことは人生で、1、2回程度。風呂場でのぼせて倒れたことが一回。それ以外はなんとかなっております。

桜の季節に

実は2月ごろから花粉症の症状に悩まされていることもあり、いろいろなことが滞っていましたが、なんとか桜の季節になって持ち直すことに。

先日珍しく3桁近くのアクセスがあったようですので、久しぶりに更新する気になりました。ご無沙汰しております。

ここのところ、しばらく様子を見ていた自分の味覚について、あるテストをしてみてとりあえず合格と思えたので、早速、実験再開に向けて準備中。

テストといっても単純にただある食べ物を試しただけです。

記憶する範囲で完全に味覚が正常だった最後のタイミングで食したのが北九州で自分が生まれる前から定番だったらしい、肉まん1個でした。これ、その日までは知らなくて生まれて初めて食べた銘柄だったので、それなりに印象は残っていました。もともと肉まんなんて興味はなかったのですけれど、もうひとつ、たまたま試したそこそこ有名な店のものが期待外れだったので、入れ替わりに口直し代わりにこれはどうかと手に取ってしまったんですよね。

これ、味付けのベースはラードを標準以上にたくさん使ったところと創業当時ならそこそこ珍しかったであろう黒胡椒が効果的に使われていて、和風の醤油ベースのソースでとてもシンプルな味、化学調味料を多用した感がそこまでないのと、側の饅頭部分のできがなかなかで1個でも満足できるボリューム感です。餡はそこまで肉肉しくないかわりに滲み出た肉汁の旨みがしっかり饅頭部分に行き渡っている。餡の部分に色々混ぜ込んでカサ増しした感じがありません。たくさん肉があってもミンチが塊になって詰まっていたら食感も悪くなって、がっかりですけど、こちらはそんなことはなくて、しっかり大きめに刻んだたまねぎ等と上手にこねられていて、とてもいいバランス。ジューシィーな肉汁感が主体となっています。肉まんからキクラゲや生姜やザーサイの味がめだってもがっかりですからね。1ヶ月半前に試した時は、なんでこんなのがいいのかというレベルでまったく美味しく感じなかったのですが、先日同じものを試してみたところ、饅頭部分に肉汁とラードが染み込んだ感じとか、いい意味でムラになっている餡の具合とか、小麦の味とか、11月の終わりに食べた時の印象以上にしっかり感じられたので、OKとしました。

全体に、若い頃の味覚に戻っている感じはありまして、 100%というより、120%なのかもしれないくらい、舌先の分解能は十分に回復しており、ある種の雑味に敏感になった感じもしますし、特に、敏感になりすぎた分、20代の頃と変わらないくらいに、一定以上の深煎りに関してはいくらかは受け付けにくくなっている気はしますけど、むしろこの方が一般の方(特に女性)の感覚に近いかもしれないと思いますので特段悪化したとも思えず。

ただ、もともと鼻炎があるので、鼻先の匂いの感度そのものはそんなに高くありません。これは、20代の後半から発症したアレルギー性鼻炎が万が一治ればもう少しなんとかなりそうですが。

今はむりくり、薬で抑えるしかありません。

もう少し住環境を整えればなんとかなるかなといったところ。

コーヒーは肉まんよりはるかに繊細でしょうといわれそうですけど、コーヒーの多様性がどんなに広くても、一般ウケするコーヒーも焙煎も大体はある範囲に収まる。

だけでなく、基本、ある一定以上の品質の豆のその素材のよいところがどれだけ引き出されているかが鍵だと思いますので、そういう意味では、ごく普通の料理や食べ物と大きく隔たるものではないと感じています。

ところで最近、コーヒーについてはここ数年評価の高いあるミルを試しています。

確かに入門用としては完璧に近い。かも。

ディスカバリーや煎っ太郎がなくとも、煎ってみよう part IIの②

200gでのグラフ 投入温度は180度台。DRYENDは170度台。DROPは11分過ぎ

初めてこのサンプルロースターで250gまでの焙煎に挑戦してみました。50gステップで上げていって、250gでやっと豆に温度プローブが埋まりかかるようになりまして、本格的な焙煎機っぽいグラフが書けるのですけれど、途中からポロポロ豆が溢れて出てきます。

改造しないと220gくらいまでならなんとかという感じでしょうか。しかしグラフはともかく、実際の結果でいえば、もっと少なめの方が平均点は高くなるかも。

もう少し思い切って火力をかけたかったのですが、0.7kpa以上は遠慮してしまいまして、焙煎時間は長めになってしまいましたので、単調な仕上がりになってしまいましたが、ハゼが穏やかな分、豆の飛び出しが抑えられた感じになりました。飛び出しを気にしなければ1.0kpa近くかけてもいいかもしれません。RORは50近くになってもこの焙煎機の場合はそこまでのストレスにはならない可能性があります。

焙煎そのものは難しくなるかもしれないのですが、やはり結果にこだわると焙煎量は欲張らない方が良いかも。ただ、みためは250g入れた方が明らかにムラが少ない。

積極的に改造して300g位までいれれば、もっと本格的な焙煎機っぽいグラフがかけるはずですけど、そこまですると、なんらかの風量を確保するファンないし、排気調整機能が必須になってくるかもしれません。

 

ディスカバリーや煎っ太郎がなくとも、煎ってみよう part II

ある程度、再現性があれば1バッチはそんなにたくさんでない方がいろいろ都合がいいのは確かですが、60gというのはさすがにきつい。カンにまかせてガンガン煎ってしまって、それぞれのバッチをうまくブレンドしたりすれば、それなりに量を確保することもできます。しかし、ある程度、実用的な焙煎機で再現する目的で、今後に活かせるデータを取ろうとしたならば、どうしても記録に必要な手が足りなくなる。

ということで、手が空きやすいドラム式の登場です。

今回、熱に弱い部分の電子部品やスィッチを外に出して仮にビニールテープで絶縁して試運転してみました。熱源はこの前から復活させている業務用のコンロです。

オリジナルもノズルを交換して調整し、カバーをつければ火力の絶対値は問題なくなるのですが、なによりこちらを使うと遠火の強火が実現できます。ひとことでいえば熱風式に近くなるのです。ただし、元々の火力が過剰気味なので簡単なフードをつけた状態ですと、100gの豆に対して必要な火力はほとんど0.3kpa以下の領域でして、調節はしにくい。

最近、冬の雨が続き、室内の湿気がひどく、しばらく除湿機を使っていまして、その状態ですと、なぜかこれまで比較的いい条件で煎れていたと思っていた、温度と湿度のレンジに合っているように見えても、なんだか焙煎しにくく、結果も思わしくありません。

そこで今回は、とりあえず、部屋にある加湿器を総動員してそれなりに湿度の高い条件を作ってやります。基本的に火力が余っている条件であれば湿度は低いよりはあるところまで高めの方が好ましい。

特にウォッシュトのいい豆であればあるほど、その傾向があるように思えることさえあるので、今回はほどほどのところまで湿度を上げて焙煎してみます。

この焙煎機で工業用の温度プローブを繋げるのは今回が初めてでいろいろ戸惑っているうちにファースト焙煎は進んだむのですが、なんと1ハゼスタートの温度は220度台の後半になってしまいました。

ということは、これ、ひょっとしたら、焙煎量は倍かそれ以上に上げた方がうまくスペシャルティの焙煎にマッチするデータが得られる可能性が高い。

大体このドラムの内容積はおそらくディスカバリーと大差ないのですけれど、どうしても構造上、豆が飛び出しやすいので、そうならないように工夫が必要です。

あとは、どうしても豆の投入に時間がかかってしまいやすい。100gに対して最短12秒、標準20秒弱はちょっとかかりすぎでムラの遠因になっています。

こういった点をクリアできれば、ディスカバリーと同じくらいの焙煎量を確保できるかもしれません。

たぶん、300gは無理としても、ぎりぎり250g位でしたら、なんとかなりそうな気がします。結構、豆の飛び出しを防ぐのは、このシンプルな構成の焙煎機に対しては大掛かりな改修になるのが欠点といえば欠点ですが、実用性が大きく向上するのは間違いなし、なんとか挑戦してみたいところです。

次回以降のテーマですね。うまくいけば、生産性も上がって、単なるサンプルロースター以上の働きもできるかもしれません。

はてさて結果はいかに。

 

 

Artisan手網の限界!?

一応、今回用意した手網の標準焙煎量は80gという説もあったので、試してみると、本当に最新の焙煎機の豆温度計の表示とあまり変わらない測定値がバッチリ出ています。

もちろんというか細かくいうと、RORはかなり暴れますがサンプリングレートを長めに取ればそれもかなり落ち着いてきます。ある程度脳内補正できるようになっているので、そもそも設定の変更などしなくても、どうにでもなります。

しかし、肝心の結果は。もうそんなに回数試すまでもなく、却下。

豆の膨張もある程度考慮しつつ、しっかりそれぞれの豆にバーナーの燃焼熱が当たる条件とすると、やはり55〜60gあたりを最大焙煎量とすべきという結論に。

それとやはりというかartisanの記録に片手が頻繁に取られる状態だとかなりいろいろな工夫をしてやらないと手網ではできません。豆を揺する手、記録する手、火力を調整する手、排気を調整する手の4つが必要になります。同時に操作しなければ兼用できるとはいえ、同時に近く、記録と調整はしたいので、なかなか大変。今回用意した環境だと熱風を閉じ込める円筒やガラス蓋がどんどんズレて落ちてしまうので、上の蓋など全体を支える手も必要ですから、結構頻繁に揺する手を止めたりしなくてはならない状態で、おちついて焙煎するどころでありません。もちろん、細かく工夫すればもっとやりやすくはできるのですけど、この構成だとシンプルに温度表示器だけをみながらの方が相応しいように思います。

とりあえず、湿度の焙煎に与える影響について。今回用意した手網の環境に限るかもしれませんが、水分量の多い、ウォッシュトでは湿度は低め、ナチュラルでは高めの湿度が好ましいという結果になると当初は予想していましたが、全然違いました。

却って、水分量が多めであっても、特に柔らかい豆の場合は、湿度がギリギリまで高いくらいの方がどちらかというと煎りやすいという結果に。

今回、火力の調整がシビアなので、その影響も無視できないのですが、ナチュラルの場合もあまり乾燥しない方がいいということだけは確かなようで。少なくともウォッシュトよりも高い湿度が要求されるということはなく、むしろ、水分量が低い分、低めの湿度でもなんとかいけるという感じです。特に密度が高い豆で乾燥している場合、空気は乾燥していてもそこそこなんとかなり、湿度が上がってしまうと却ってコントロールしにくくなる感覚さえありました。たぶん、密度が高い豆はもともと間口が広いというのもあるのでしょう。これはもう少し回数多くやってみないとはっきりとしたことは言えない段階ですが意外な結果でした。

artisanでの記録前提だとやはり手網は厳しいということで、次回以降は小さなドラム式に戻ることにしました。

煎っ太郎でなくても、ちょっと煎ってみた!

全部で10バッチほど、豆を変え条件を変え、炒ってみた結果。

遠赤外線効果が売りの網を通した焙煎は浅めの煎りに関しては全滅。表面は黒く見えても中はそうでもない感じです。

これは予想されたことですが、やはりセラミックの網が少し赤熱するくらいの条件では仮に効果はあったとしても限定的。少し深煎りの名店のテイストに通じるような気がするバッチもあるものの、少なくとも網で改善した結果とは言いにくい。

赤外線の効果を検証するには専用のバーナーを使用した方がまだマシではないかという結果に。特に炭火焙煎などをシミュレーションしたい場合は白熱するくらいまでにならないと意味がない。

途中から、工業用の温度表示器を取り付けるとやっぱりレスポンスはよく、250度以上まで表示できるし、表示も消えずわかりやすい。ただこうなるとグラフを描かせたくなってしまいます。

最後の方でArtisanに繋いだ温度プローブを使って、ごく普通に焙煎したバッチは流石に安定していました、ほとんど久しぶりに焼いたメキシコ産がかなりいい具合のシナモンロースト風に。手挽きで挽くとガリガリと大きく音を立てるのですが、乾いた感じのドライのフレグランスでごくわずかアンダーディベロップ感というか、もう少し降ろす時間を遅くするか、火力を強めてもよかったかもと思わせるものの、熱風式の焙煎機で焙煎したといってまず疑われないレベルに。現時点(この構成3バッチ目)で、ikawaを越えたとまでは言わずとも、少なくとも肉薄できそうな雰囲気はあります。何せ、デカフェですからね。ここまで焼ければ十分。

artisanに書かせたカーブは手網を揺するタイミングでどうしてもセンサどころか全体がぶれてしまうし、豆に触れる面積がランダムに変化してしまうために、そうとう暴れますけれど、実はかなり業務用の焙煎機で普通に焙煎した時の豆温度とかなり近い条件で測定できていることがわかりました。(キッチン温度計での脳内変換を通して自分が慣れているから脳内補正できているのも大きいと思います)。焙煎時間も1キロ以上の小中型の焙煎機と変わらず、ハゼのタイミングでの豆温度の表示もだいたい似たような数字で焙煎の組み立てはある程度まで可能です。

つなげる手持ちのパソコンさえあればartisan周りの費用まで含めても数万円レベルで構築できます(コンロ別)。データロガーなしなら、数千円から1万円ちょっと。にしてはあり得ないパフォーマンス!

センサーの取り付け方を工夫したり、網の高さを固定してしっかりゆすれる工夫をしたり、上蓋をきちんと固定する仕組みをつければ再現性も業務用焙煎機並みにできる余地があります。しかも圧倒的な火力。わずか60gに対して最大3500kcal/hは足りないということはぜったいあり得ない。 0.5kpaでもオーバー気味なので最大1500-1800kca/hで十分有り余る火力。

焙煎量はあまり欲張らない方が無難です。このコンロと網の組み合わせの場合80gでも煎れなくはないけど、もう全く別の焙煎になってしまう可能性あり。

蓋を開ければ一瞬にして十分過ぎるほどの排気、なんのタイムラグもありませんし、いずれも可変範囲はどんな焙煎機も上回っているかもしれません。

ただこのままではどう頑張っても、自動で同じ焙煎を繰り返すようなことはできない、です。ここだけはikawaに勝てない。

いつかはAI搭載の家庭用ロボットが勝手に手網で焙煎してくれるような時代が来るかもしれません。

それまではお預けですね。

煎っ太郎でなくても、ちょっと煎ってみよう!

現在、湿度が焙煎に与える影響を調べておりまして、ある程度小さな閉じた環境がふさわしいこともあって、自宅でいろいろ試しています。今回、熱源は単なるコンロ。

ちょっとしたことで滅多に手探りではできないレベルでシナモンに近い浅めの焙煎がそこそこ決まってしまう。ただ、火力の調整についてはいろいろ大変なので、今になって、今更ながら微圧計をつけることにしました。

火力のベースは家庭用コンロに近い外観の古い設計の業務用コンロなのですけれど、これがとても具合がいい。なんと圧力計の表示が0.15kpa切るか切らないかレベルで立ち消えしません。圧力計の表示はそれなりの誤差を覚悟しなくてはならないのですけれど、絶対値はともかく相対誤差は操作方向を合わせればかなり正確に決まりそうなのです。ということはほぼ0.2kpa切るところからフルスケール2.3kpaまで0.1kpa単位で調節できる。つまり実際の火力で30%近くまでかなり正確に数値を見ながら絞れるわけです。それ以下も目盛を正確に読むのは大変というかほぼ無理ですし、どうしてもコンロ付属のつまみで調整しないとあんていしないのですが、ここまで絞るとかえって炎の状態の変化は目視でも分かりやすい上に結構安定していますから、手探りとはいえ調整は楽(本体のつまみを操作すると微圧計はいみなくなるのが問題と言えば問題ですけどね)。

これ、コンロのカタログの仕様上は最小火力は8%。実際の焙煎では0.15kpa以下は予熱で様子みるのには使うとしても、焙煎中はあまり必要としないかもしれないところです。 0.2kpaで大体全開の30%くらい。カロリーにして1000kcal/h超えるか超えないか位。

ちなみに自分の年式のフジ3キロの場合、安定して絞れるのは44パーセント位までですから、もう、そうとう勝手が違いますよ。その分細やかな火力のコントロールができる。地味にすごい。

しかもです。微圧計手前に設けたバルブですが、なんとフジの3キロなどに使われているタイプのバルブもあるのですが、結局、ごく普通の昔の小型のコンロに使われていたバルブで十分というか、こちらの方が下手をすると調節しやすい。両方併用すると尚良い。

これ、料理の時にも役に立ちそうなので早速応用する方向でいくことに。

やってみると、結構、とろ火に近いところに持っていくと、微圧計の針はほとんど0に近いところを示します。ありゃ、もうここまでいくと、炎の様子で推測するしかありません。意外と言えば意外なのですけれど、よく考えてみたら当たり前。

しかし、調べてみないとわからないもんですねえ。ちなみにいつもの弱火と中火の中間くらいのところですでに0.2kpa切っています…、

料理でよく使うレンジは意外に火力30%以下の範囲なんですよね。
このコンロの場合、強火と思って全開にするとあまりに火力が強すぎてむだがおおく、鍋の周りが焦げたり、取っ手を焼いたりするだけで大きなフライパンでさえ、あまり意味がないのですが、実用レベルにちょっと絞ると、一気に0.5kpaあたりです。そこから弱火にすると、微圧計があまりあてにならない0.15kpa以下の世界に、とろ火だとほぼゼロにしか見えません。

ちなみにたとえばお好み焼きに最適な火力は0.5kpa位。小さなサイズをゆっくり焼くときで0.4kpaから始めて仕上げにちょこっと0.6kpaまで上げれば十分。それ以上はすぐに焦げてしまいます。他の料理もこれくらいをほぼ標準にしないとあっという間に焦げ焦げです。

なんでもはっきりとした数値で管理できるのはやはり便利。

次のテーマはやはりというか。今更ながらのしっかりとした温度プローブの設置とデータロガーの活用です。