The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

ディスカバリーや煎っ太郎がなくとも、煎ってみよう part II

ある程度、再現性があれば1バッチはそんなにたくさんでない方がいろいろ都合がいいのは確かですが、60gというのはさすがにきつい。カンにまかせてガンガン煎ってしまって、それぞれのバッチをうまくブレンドしたりすれば、それなりに量を確保することもできます。しかし、ある程度、実用的な焙煎機で再現する目的で、今後に活かせるデータを取ろうとしたならば、どうしても記録に必要な手が足りなくなる。

ということで、手が空きやすいドラム式の登場です。

今回、熱に弱い部分の電子部品やスィッチを外に出して仮にビニールテープで絶縁して試運転してみました。熱源はこの前から復活させている業務用のコンロです。

オリジナルもノズルを交換して調整し、カバーをつければ火力の絶対値は問題なくなるのですが、なによりこちらを使うと遠火の強火が実現できます。ひとことでいえば熱風式に近くなるのです。ただし、元々の火力が過剰気味なので簡単なフードをつけた状態ですと、100gの豆に対して必要な火力はほとんど0.3kpa以下の領域でして、調節はしにくい。

最近、冬の雨が続き、室内の湿気がひどく、しばらく除湿機を使っていまして、その状態ですと、なぜかこれまで比較的いい条件で煎れていたと思っていた、温度と湿度のレンジに合っているように見えても、なんだか焙煎しにくく、結果も思わしくありません。

そこで今回は、とりあえず、部屋にある加湿器を総動員してそれなりに湿度の高い条件を作ってやります。基本的に火力が余っている条件であれば湿度は低いよりはあるところまで高めの方が好ましい。

特にウォッシュトのいい豆であればあるほど、その傾向があるように思えることさえあるので、今回はほどほどのところまで湿度を上げて焙煎してみます。

この焙煎機で工業用の温度プローブを繋げるのは今回が初めてでいろいろ戸惑っているうちにファースト焙煎は進んだむのですが、なんと1ハゼスタートの温度は220度台の後半になってしまいました。

ということは、これ、ひょっとしたら、焙煎量は倍かそれ以上に上げた方がうまくスペシャルティの焙煎にマッチするデータが得られる可能性が高い。

大体このドラムの内容積はおそらくディスカバリーと大差ないのですけれど、どうしても構造上、豆が飛び出しやすいので、そうならないように工夫が必要です。

あとは、どうしても豆の投入に時間がかかってしまいやすい。100gに対して最短12秒、標準20秒弱はちょっとかかりすぎでムラの遠因になっています。

こういった点をクリアできれば、ディスカバリーと同じくらいの焙煎量を確保できるかもしれません。

たぶん、300gは無理としても、ぎりぎり250g位でしたら、なんとかなりそうな気がします。結構、豆の飛び出しを防ぐのは、このシンプルな構成の焙煎機に対しては大掛かりな改修になるのが欠点といえば欠点ですが、実用性が大きく向上するのは間違いなし、なんとか挑戦してみたいところです。

次回以降のテーマですね。うまくいけば、生産性も上がって、単なるサンプルロースター以上の働きもできるかもしれません。

はてさて結果はいかに。