The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

煎っ太郎でなくても、ちょっと煎ってみた!

全部で10バッチほど、豆を変え条件を変え、炒ってみた結果。

遠赤外線効果が売りの網を通した焙煎は浅めの煎りに関しては全滅。表面は黒く見えても中はそうでもない感じです。

これは予想されたことですが、やはりセラミックの網が少し赤熱するくらいの条件では仮に効果はあったとしても限定的。少し深煎りの名店のテイストに通じるような気がするバッチもあるものの、少なくとも網で改善した結果とは言いにくい。

赤外線の効果を検証するには専用のバーナーを使用した方がまだマシではないかという結果に。特に炭火焙煎などをシミュレーションしたい場合は白熱するくらいまでにならないと意味がない。

途中から、工業用の温度表示器を取り付けるとやっぱりレスポンスはよく、250度以上まで表示できるし、表示も消えずわかりやすい。ただこうなるとグラフを描かせたくなってしまいます。

最後の方でArtisanに繋いだ温度プローブを使って、ごく普通に焙煎したバッチは流石に安定していました、ほとんど久しぶりに焼いたメキシコ産がかなりいい具合のシナモンロースト風に。手挽きで挽くとガリガリと大きく音を立てるのですが、乾いた感じのドライのフレグランスでごくわずかアンダーディベロップ感というか、もう少し降ろす時間を遅くするか、火力を強めてもよかったかもと思わせるものの、熱風式の焙煎機で焙煎したといってまず疑われないレベルに。現時点(この構成3バッチ目)で、ikawaを越えたとまでは言わずとも、少なくとも肉薄できそうな雰囲気はあります。何せ、デカフェですからね。ここまで焼ければ十分。

artisanに書かせたカーブは手網を揺するタイミングでどうしてもセンサどころか全体がぶれてしまうし、豆に触れる面積がランダムに変化してしまうために、そうとう暴れますけれど、実はかなり業務用の焙煎機で普通に焙煎した時の豆温度とかなり近い条件で測定できていることがわかりました。(キッチン温度計での脳内変換を通して自分が慣れているから脳内補正できているのも大きいと思います)。焙煎時間も1キロ以上の小中型の焙煎機と変わらず、ハゼのタイミングでの豆温度の表示もだいたい似たような数字で焙煎の組み立てはある程度まで可能です。

つなげる手持ちのパソコンさえあればartisan周りの費用まで含めても数万円レベルで構築できます(コンロ別)。データロガーなしなら、数千円から1万円ちょっと。にしてはあり得ないパフォーマンス!

センサーの取り付け方を工夫したり、網の高さを固定してしっかりゆすれる工夫をしたり、上蓋をきちんと固定する仕組みをつければ再現性も業務用焙煎機並みにできる余地があります。しかも圧倒的な火力。わずか60gに対して最大3500kcal/hは足りないということはぜったいあり得ない。 0.5kpaでもオーバー気味なので最大1500-1800kca/hで十分有り余る火力。

焙煎量はあまり欲張らない方が無難です。このコンロと網の組み合わせの場合80gでも煎れなくはないけど、もう全く別の焙煎になってしまう可能性あり。

蓋を開ければ一瞬にして十分過ぎるほどの排気、なんのタイムラグもありませんし、いずれも可変範囲はどんな焙煎機も上回っているかもしれません。

ただこのままではどう頑張っても、自動で同じ焙煎を繰り返すようなことはできない、です。ここだけはikawaに勝てない。

いつかはAI搭載の家庭用ロボットが勝手に手網で焙煎してくれるような時代が来るかもしれません。

それまではお預けですね。