Coffee Beans Kurochamame

for Dripbags, Coffeemakers and hand-brewing

最後に、甘みについて

珈琲に甘みを感じるのは意外という方もいらっしゃるかもしれません。

そこまで甘みを求めるなら、単純に砂糖でも入れてみればという話になりかねません。

ところで、いわゆるブラックでも甘みを感じることがしばしばある珈琲の成分のどこをとっても、甘みを感じさせる化学物質はほとんど残っていないそうです。(バニラエッセンスの成分であるバニリンが含まれる場合があるらしいとは聞いています)

珈琲豆も、単なる豆ですから、三大栄養素のうち、最も割合が多いのは炭水化物。それらの一部は、実際に甘みを感じられる成分として生豆に存在しているのは間違いありませんが、200度以上の高温で晒されると当然、どこかに行ってしまいます。

しかし、それでも、ある程度以上の品質の豆であればほとんどの場合、これは甘みとしか言いようのない成分を感じます。

それはいわゆる砂糖と呼ばれるショ糖の類や人工の甘味料では、けっして得られない自然なしっかりとした甘みで、コーヒーの他の成分と溶け合って融和しているような穏やかで広がりがある甘さなのです。

この音楽における通奏低音のような味こそ、酸味や苦み以上にコーヒーの味のもっとも基本となるべきものではないかとくろちゃまめは捉えています。(そして、これはほとんどすべての食べ物や飲み物に共通することでもあると思います。いい水自体、ある程度の甘みを感じさせることが多い。後述しますが、それは唾液の分泌が刺激されるような、そして口の中に自然に存在している甘みを邪魔しないという意味でもあると思います)

今回取り上げた3つの要素のうち、生豆の段階でもすでに、苦みに近い成分(渋みに近い?)は感じられますし、産地によってはそれなりに酸味も感じられます。しかし、甘いと感じることはめったにないはず、しかし焙煎後は、本当に時には圧倒的な存在感でそこにある、それが珈琲の甘みです。そして、この甘みこそが、酸味、苦みを始めとして多くの人が珈琲に感じる、コクやボディ感のようなものさえも下支えしているものであり、焙煎によって得られる最大の差異の一つではないかと思っています。

さて、甘みを増やす焙煎というのは、果たしてありうるでしょうか?