The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

あえてコーヒーはあくまでも水分補給の一手段でしかない、といってみる

焙煎するほど、コーヒーにハマった人でなくても、あるいはそういうひとにとってさえも、究極コーヒーも他の飲料と同じように水分補給の手段でしかないと思うことがあります。

今、あるところで自分よりも少し年配の層の方にコーヒーをお出ししたりしていますけれど、コーヒーの業界でないので、焙煎度の違いとコーヒーの濃度の違いを認識している方はほぼ皆無の状態の方ばかり。

念の為に、いつも自分用に淹れる濃度の3分の一まで薄くしてお出ししても、まだまだ相当、濃いという反応があり。ごく浅めの焙煎でさえなのです。

自分がそこに入らせていただく前まで使っていたコーヒーをどうやって淹れているのか観察してみたところ、なんと、わずか14−15g程度で900cc近く抽出してました。

ほぼ一杯あたり2−3gの世界です。うーん。

大手の焙煎で粉で売られているものなので、抽出効率中心の焙煎の技術からしたら、満点とは言わずとも、相当レベルが高いし、ミルも自分が持ち込んだものとは全然違いますから、色々な意味で比較の対象にならないんですが、とりあえず、同じ粉を使って色々やってみて、ぎりぎり濃いと言われない(顔にも出されない)程度の濃度でなんとか出がらし感満載の渋みを抑えるポイントを見出すことに成功しました。

20g弱で900ccちょっとか、15gで800ccくらいに抑えるとしたら、後者の方がむしろいいかもしれないくらい、ちょっと自家焙煎の世界では認めるのはつらい抽出です。

実際、いつも淹れておられる方はそれなりに工夫して、わずかに甘みが感じられるバランスで淹れておられる感じはあります。これ以上薄いと、やはり一口目から渋みが目立つ、でも少しでも濃いと飲みにくくて、わずかな量しか口にできなくて、水分補給にならないし、やたら雑味感が強調される。結構ピンポイントでベストの抽出バランスがあって、うまくすると冷めてもほどほどに、ちょっと出涸らしの日本茶程度の渋み感だけが残る飲料水となります。

こういう方にも、週に一回、あるいは月に二回はちょっと奮発して、手をだしてみようかな、とか、コーヒーにこだわりのある友人のプレゼントにはぜひここのコーヒーをと思っていただけるような、ものを提供できないとよろこんでもらえないですよねぇ。

原料には妥協できないことがますますはっきりしてきた中、コスパで勝負なんてありえない世界なので、ここいらをクリアするのは、なかなかの難問です。