The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

直火式ドラムに新しい風(熱風)を吹き込んでみた①

本当は本格的に排気をつけなければと思いながらそのままになっているサンプルロースターですが、先に火力の条件を見極め、整えたいというのもあり、そのまま6バッチほどやってみました。実際には排気の条件が変わると火力にも大きく影響するので、セットで考えなければいけないところではありまして、そろそろなのですが、最後に以前やった実験の追試をやってみました。

今使っているドラムは直火式しかも排気機構がないので、チャフは大部分が最後まで豆と一緒に回っています。パンチングの穴は小さいので、かなり小さな小人レベルのピーベリーでも通り抜けられないくらいですし、落ちるのは小さなカケラだけなのです。

やはりこれが原因で味にクリアさがでにくい。その点で言いますと排気が弱い焙煎機のデメリットのすべてがあり、また小さな穴は抵抗が大きいので、あまり熱風が直接ドラムに侵入する条件でなくて、バーナ-の熱気で温められたドラムを通して内部の空気が温まり、それを通して焙煎が進むという条件に近い。その意味では真の直火と言い難いところもあり、みかけはシンプルでも、なかなか複雑な機構になっています。

たとえばカバーをつけて焙煎機の上部にバーナー上部の温度以上の暖かい空気が充満している条件でしたら、生豆を投入した瞬間に発生した冷気は上に上がることができず、焙煎機の下に落ち込んでバーナーで加熱されます。そうして、十分温まったら、ドラムをすり抜けて上昇する分と、ドラムの側面を通して上昇する分と2つに分かれて煙突側に回るなり、煙突ががなければ上側の隙間からでてゆくことになります。

たとえば煙突があるとき、ダンパーを開けて上部の空気を追い出してしまうと蓋をしているものがなくなってどんどん排気は強くなりますが、そうすると、暖かい空気が優先して排気されてしまいやすい条件になるのです。と、火力が足らなくなりかねない。

で、火力を上げると今度はドラムが必要以上に過熱してしまう。ドラムと熱風の温度の差が大きくなりすぎるのです。

(シンプルな構造の焙煎機で焙煎の最初の段階で排気を絞りましょうとか、指導される理由はほとんどこのあたりにあるのでは無いかと思っています。)

これはある意味、焙煎機の形式を問わずなんですが、少なくとも短時間で焙煎を終える前提ならば、特に焙煎の始めの段階は、生豆の発生する冷たい空気を暖かい風で吹き飛ばすような条件で行けた方がいいと思うのです。

乾燥逆転温度を十分に超えつつ、豆に不要なダメージを与えない範囲で強烈な熱風を吹き込むべきなのです。(これをやると極深煎りには不利になります)

で、そういう条件で焙煎できるベストに近い機構を有しているのはスペシャルティの世界で評判の高い例のアレ、ですね。

ということでシミュレーションしてみましょうかと。