Coffee Beans Kurochamame

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ガウスの世界への扉 焙煎時間と水分量とスペシャルティの関係 ③

コーヒー豆、1粒の味を確かめることは不可能と言いました。しかしそこで諦めるわけにはいきません。むしろ逆にその内側のミクロの世界に入り込んでみようと思います。

今回はミクロの三勇士(ミクロイドS)になりきって、コーヒー豆の世界を探検してみましょう。謎に満ちたコーヒー豆の内部の世界について、細胞単位で考えてみます。ナンセンスと思うかもしれませんが、これは一種の思考実験です。

もし、1つの細胞よりもさらに小さな単位にまで光線銃で縮小できた世界に行けたとしたら、なにができるか。あるいは何がしたいか。ちょっと考えてみたいと思います。

コーヒーの元になる成分は植物の硬いセルロースでできた細胞壁の内側にあります。

その中でも元々液胞に入っていた成分がかなりのところ、コーヒーの美味しい成分の元だったはず。ということで、コーヒージャンキーのミクロ決死隊もといミクロイドSとしては、この1つの1つの細胞の内側に程よい水分を満たして、それぞれの細胞からコーヒーのエキスを抽出することにします。

三人いるので、一つの細胞から三人分のコーヒーが抽出できるバランスでカッピングしてゆきましょう。

一つのコーヒー豆に含まれる細胞の数は推定2000個(ヤマカンです)

全部をティスティングするわけにはいかないので、このうち、ちょうど20分の一になるように、偏らない100ヶ所に絞ってカッピングし、それぞれの味わいを評価します。

すると、1つはミディアム、もう一つはハイ相当と言ったように焙煎度で分けることができます。もちろん、ローストアナライザで点数をつけてもいいでしょう。

あるいはSCAAの点数で82点とか85点など入れてもいいと思いますが、実際には。

特にスペシャルティで推奨または多用されるレベルの焙煎度、焙煎時間ではその味わいはごく単調で、一部焙煎が進んで見える細胞ではカラメルっぽいなーとか、こっちは焙煎が浅くて酸っぱいなーとか言ったものになると思います。

もしグラフにプロットすると、特にうまく焙煎できたものほど、これもLで表現しようがなんであろうが、綺麗な正規分布になるはずです。豆一個の味は評価できないとしても、通常の世界に戻って、回数を重ねてすり合わせを行えば、好ましいばらつきや幅というものはかなり明確に定義できるでしょう。それはやはりガウスの世界の法則に則っているはず。個々の細胞では単にカラメル、酸、といったふうにしか思えなかったものが全体としてより、複雑なコーヒーらしい味として再構成されるのです、そのためには、ある程度のランダムなばらつきが必須なはずです。

ばらつきを好ましい幅に整える、あるいは揃える、ということは特に焙煎においては重要な考え方になるとくろちゃまめは考えます。 

次回以降は、ハゼの意味について考えてみたいと思います。