The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

ひさしぶるのサイフォン

そもそも一般のロースターの焙煎ではないのですけれど、あるところのコーヒー(浅煎り気味という話)を届けていただいて試しに25gで4人分強の抽出をしてみたところ、思ったより濃い色、そもそも豆自体も外見では深めのシティからフレンチ手前までの焙煎でしかも時間が少し経っていったん油が引っ込んだような感じのみかけ(最初は照明の関係で見分けられず)です。頼んだ方はあまりコーヒーに詳しい方では無いのですけど、本当に浅煎り???

飲んでみると、まるで石焼き芋そのまま。西洋人とか石焼き芋体験がない方にはベイクト(ケーキの端とか、オーブンで焼いてちょっと焦げた感じ)判定をつけられかねないレンジ。

湯温を抑えて抽出できたので、お出しした方にはそこそこ好評でしたし、最後まで飲んでいただけましたが、これどうなのかなあ。賞味期限3ヶ月先につけているとしたら、8月の終わりの焙煎か2ヶ月とすれば9月終わりの焙煎か?

自分にとっても、ごくたまーにこういうのを飲んでみても悪くはない、ごく当たり障りのない飲みやすい深めのコーヒーではありました。

そこで、たまたま久しぶりに引っ張り出してきたサイフォンで淹れてみました。

なんというか冷めるといくらかマシとはいえ、なんだかコーヒー豆のワックス分が酸化してどっと溶け出してきたような妙な風味がします。うーん、これはなんだー。

サイフォンの場合、きっちり100度ではなくても95度以上のお湯に触れるのはほぼ間違いないので仕方がないところかとも思ったのですが。

振り返ってみると、どうも、これ、フィルターをキッチンハイターで処理してしまった副作用のようでした。げっ。普通のネルもそうですけど、漂白厳禁といわれているのをすっかり忘れていまして、冷凍していたのがちょっと怪しい雰囲気だったのをとりあえず再生しようとシュッ、と吹きかけてしまったのです。煮沸すれば元通り、と思ったのですが甘かった。

繰り返し、十回くらい煮沸するとなんとかなりそうですが、これに懲りて、ペーパーフィルタに転向しようかと。

コーヒー好きと言われる方にちょっと喜んでもらえるかなと思ってサイフォンでお出ししようかと思ったのですが、まだまだ練習が必要かもしれません。

※サイフォンのフラスコの中の水全体が本当に100度になったら、一気に噴き上げて爆発、噴火したようになったり、条件によってはガラスが割れるほどの力にもなりえます。

そういうことが起こらないのは、一部分だけ熱せられて100度近くなり、そのお湯が上昇して、代わりに冷たい水が回るという循環(対流)が起こっているからです。

そして対流を起こしながら沸騰している限り、水温は平均すれば98度を少し超えるか超えないかくらいにしかならないはずなのです。

水蒸気は70度超えるくらいから、目立って発生してきて、ぴったり100度にならなくてもある程度の力を発生しています。サイフォンの内部の密閉性が高いので、少し低めの温度でも、十分にお湯を上に吸い上げる力となるのです。

そして、上部に行くと豆の粉に触れたり、上のシリンダー部分のガラスを通して冷やされるので、実際に豆が触れる平均的な湯温はさらに下がるはずです。一方で下から噴き上げてくる水蒸気に直接触れる条件にあるので、他の抽出方法と同列に湯温を語ることはできないと思われます。