The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

豆つながり カカオとコーヒーと…

しばらくほぼ完全に嗅覚を失っておりまして、最近になって、やっとこさ、油の温度がかすかに匂いで判別できる程度に回復してきたので、焙煎に挑戦してみました。

ちょっと前まで焙煎したところで、もう、ほとんど雑味成分だけが拡大して感じられるだけで何もわからない状態でした。あの、焙煎中の特にハゼの前後の香りがまったくわからないくらいだったのです。

これを機会にいろいろな豆を試してみたら、隠れた雑味成分がはっきり知覚できて面白いかもと思ったりもしたのですが、どう考えても単なる粗探しにしかなりませんし、何よりそんなことしていても、自分自身が楽しくないので控えておりました。

まだまだリハビリの途上でありますが、自分にとって嗅覚というのはあらゆる五感の中で一番中心的なものだったということが今回初めて認識できました。

嗅覚が働かないと、舌先ではほとんど甘味と塩味しかわからない。苦味さえほとんど感じられない時期があり、それなのに、はっきりある種の雑味はしっかり感じられるのですから不思議です。

それと、たとえば自然栽培でない玄米を炊いたりすると、まるで田んぼに顔を突っ込んだみたいなメタン臭と、安い化学肥料そのままの臭いが拡大して感じられたりして、まったくお米が炊けたときの好ましい匂いがわからない。

どうなっているのかと。

ただ、やはり自分にとってももっとも信頼できる感覚は嗅覚みたいです。

ほとんど全感覚の6割くらい依存していると感じる瞬間さえあります。いつもではないんですけど。その割には自分の体臭とかはやはりマスキングされるのか、わかりにくいですけどね。これは脳の方でキャンセルしてしまうんだろうと思います。

一種のノイズキャンセラですね。

今回、初めてチョコレートの原料、カカオ豆を焙煎してみましたけど、これ、本当に煎りたてのアーモンドみたいな香りがしてきたりして、なかなか良いです。

カカオ豆が高騰していまして、もう少し前にまとめて購入しときたかったなあと思っています。