The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

続・続・続 おいしさの基準

3.その個体にとって有用な成分を含むこと。 (甘さを主体とするテイストが感じられる)

美味しい=甘いではないのは確か、特にいわゆる砂糖の甘みにはある種の違和感を感じる方も多いかもしれません。もうそれだけで体がだるくなるような、あるいは、歯のエナメル質が溶けてきそうな感覚を持たれる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、もし味をごく単純な快苦のベクトルで表すとするなら、快 有益=甘い 苦 有毒=苦い +酸っぱい・辛い・塩辛い・渋いとなるでしょう。

もちろん、本来、ある程度の塩はむしろ必要であったり、酸も極端でなければ、体に有用であったりします。また苦みであれなんであれ、成長するにつれて許容範囲は広がってゆくわけですが、人間の味覚はある種のうまみ成分、あるいは体にとって栄養となる成分を、あまいと感じる方向で認知する傾向にあることはおそらくは間違いがないでしょう。

そして、ほとんどの人は珈琲に対してもある種のベースとしての甘みを求めているはずです。

実際、コーヒーの成分には甘味料や砂糖のように甘みを感じさせる成分はないといわれていますが、それでも、焙煎の過程で生じる成分は、もともとそこに、炭水化物を始めとしたあらゆる有機物、栄養分がないと生成されないものであるがために、否が応でも、人はもともとあった栄養分の豊富さを連想して、甘いと感じてしまうのではないでしょうか? 

実際、苦み成分の溢れているはずの深煎りに砂糖なしでも、甘みを感じたりするのも、酸味の強いコーヒーであっても、何とも好ましい酸とかんじられることがしばしばあるように、通奏低音のような甘みと感じられる成分はほとんどの食品や飲料において、おいしさを感じようとするなら、ほとんど必須要件となると思います。

いわゆる辛口と呼ばれるワインや日本酒であっても相当程度の糖が含まれているように、コーヒーにも、糖そのものでなくても、そういった体にとって有用な成分を連想させる何かが一定以上の割合で含まれていない限り、おいしさを感じられなかったり、そもそも、飲みにくくて受け付けてもらえなかったりするはずです。

いつの間にか、普遍的な、おいしさの基準でなくて、コーヒーのおいしさの話になってしまっていますが、後々、整理して改題したうえでアップしなおさせてもらおうと思っております。