The Coffee Roaster House

just around five pounds retreat

0.75mmのギャップを詰められるか

他の焙煎機はどうなっているのか正確には把握しておりませんが、フジロイヤル の一キロ以上の場合、フロントパネルとドラムの間のギャップを適正に保つのは結構重要な問題です。

一キロの場合、ギャップの調整までしっかりマニュアルに記載があるのに、三キロの場合、そんなことはなかったように扱われているのを長年、不思議に思っておりました。

自分の場合、内部の清掃の必要を感じた時点でドラムを外すしかなく、なおかつ、ドラムとプーリーが完全に一体となって固着していたためにプーリー外しを使う以外に外す方法がなくなってしまい、本来なら、緩めることが推奨されていない後ろのバーの固定部分を外さざるをえなくなった経緯があり、このギャップの調整をどうするかが課題でした。

とはいってもショールームでは結構頻繁に半熱風と直火のドラムを交換している様子でしたし、社員の方がお一人で昼休み中に作業しているらしい様子をみかけておりましたので、それほどまでパワーや練度が要求されることとも思えません。

なんとか手探りで組みつけて焙煎しておりましたが、ドラムの上側と下側のギャップをどう調整するか、また左右の差をどうやって減らすか、なんとなく考えていて、よくわかっていませんでした。そもそも普通に組みつけてどうしてこんなになってしまうのかと。

で、知人の新しく導入した個体を調べてみますと、冷間時に上下左右とも大体1.0mmないし0.9mm位で調整されているようでした。これは思ったよりも大きいギャップだったので、なんだこれくらいでいいのかあ、とひとまず安心したのですが、まったく同じように調整しようとするとどうしても下側が余計に開いてしまって、1.3mmくらいになってしまい、少し豆が挟まりやすい。モーターは強力なので止まることはありませんが、なぜか少量焙煎時に限って、豆が挟まるとときどき、電車が脱線しそうな音がしてゴトゴトいっています。

あえて言えば、下側がほんの少しだけ狭いくらいの方がうまくいくのはこれまで経験していましたが、手探りの果てに偶然そうなるだけで、どうやったらいいのかわかっていなかったのです。

それがベルトのテンションを微調整しようとして、ひらめいてしまいました。

わかってみると本当に簡単でした。あまりに原始的で、恥ずかしくてマニュアルに記載できないんではないかというくらいにシンプルな方法でした。この構造だと他に合わせようがないのでけれど。

ひょっとしてドラムに歪みを作ってしまったからだろうかと悩んでいたのが一気に解決して、冷たいうちですと、すべてのギャップがおおよそ0.75±0.5mmくらいの範囲で収まっています。

フジがあえて公開していないことを勝手にバラすわけにはいかないと思いますので詳細の公開は自粛させていただきます。

この作業、その気になれば一人でできないことでもありませんが、固着した部分を外したり、ずらしたり、ときに思い切った力技が必要になりますので、2人での作業がおすすめです。

後、後ろのバー部分の左右の大きなネジはは一切いじらず、ベルト交換まで、できますので、通常は外すとしても、フロントパネルまで。ドラムを外すとしても、プーリーが下に落ちないように工夫して、緩めて前に押せばいいのです。

そのまま、組みつけてしまえば、特別な調整は必要ありません。

その後、少量でテスト焙煎してみましたが、焙煎中に挟まった豆はゼロ。200g中、ダクト部分に弾かれてから、落ちてきた豆が2粒と投入口に引っかかって生豆のままで落ちてきた豆1粒以外は無駄にならず、他はまったく欠けることもなく健全な状態で出てきました。

これまでは途中挟まって、戻ってくる豆を含めると、かなりの影響を受けていました。調整がうまくいっていないときなどは500g以下の少量の場合、10%近い豆が影響をうけているのではないかとおもったことさえもありましたが、今回は完璧でした。ひょっとしたら、ショールームで使わせていただいた個体よりもうまくいっているかもしれません。