The Coffee Roaster House

Cup-on grinded coffee beans of decafe & specialities

固い豆が上質とされる理由と焙煎との関係

珈琲豆にどうして密度の差が生じるのでしょう。

ここでは話を単純化するために、コーヒー豆の成分の割合や繊維の量や性質がまったく同じだと仮定します。(実際にはあり得ないですが)

そうすると、柔らかい(あるいは密度が低い)豆には隙間があることになります。そこにあるのは、おそらくほとんどが空気。

ではなぜそのような隙間が生じたのでしょう。乾燥する前に何があったのでしょうか?

生豆は水につけると結構膨張します。乾燥するときに水分が抜けて、そのまましぼむとすれば、最初に水分量の差があったとしても乾燥した後の密度に差が出るのはおかしいです。

とすると、やはりコーヒー豆は珈琲チェリーの種にあたる部分なので、干し柿や干しブドウのようにはならない。

固いセルロースなどでできた壁があるために、内部に隙間ができたまま乾燥するということになります。つまりそこにあったのは、おそらくほとんどが水。言い換えれば、柔らかい豆というのは、水っぽい豆だったということになります。

ただ、水にふやかしたときの膨らみ具合からすると、珈琲豆は、実際には固い種とも違う、高野豆腐のような状態で乾燥されているのかもしれません。

ここで、また話を単純化するために、柔らかい豆をスポンジのような状態。

固い豆はそうでないぎっりし詰まった状態で、両方とも同じ材質で構成された豆の形で存在していると仮定して、それぞれへの熱の伝わり方を考えてみます。

 スポンジ状の柔らかい豆はそれ自体が断熱材です。

中まで熱が伝わりにくく、伝わるとしても時間がかかる。ですから、のんびりゆったり焙煎しないと、中まで火が通らない。火力を強めても表面だけが焦げる。どうやってもある程度のムラは出てしまいます。火力をかけた割には表面だけにしか火が入らないとか、時間をかけた割には、中は生っぽいという状態が生じる可能性が高いです。ですから、少し低めの温度でじわじわと、ゆっくり時間をかけて、多少成分が揮発するのは我慢しても、のんびり火を通さないといけません。

確かに、ブラジルはそういう傾向が少しあります。ただ、ブラジルの場合でいうと、同じスクリーンサイズでも身は薄いし、特にナチュラルだと、その分は火が通りやすい・・・。そしてコロンビア。水洗がほとんどですから、精製の条件は変わりますが、水分量が同じもの同士で比較しても、やはり、コロンビアは少し煎りにくいと思われる方が多いと思いますので・・・そういうこと、かもしれません。(しかし、もともとが水っぽい豆と思えば、そもそもの豆の品質の問題でしょ、という意見もありそうです。)

この辺りの豆が全体に特徴にかけると感じるのは、焙煎上のこういった制限が影響していそうです。

対照的に固いといわれる豆について

ポピュラーな豆の中では例えばグアテマラ、高地産のモカは固く感じます。

こちらは石のようにびっしり、中身が詰まっているとしましょう。表面に与えられた熱は素早く全体に伝わって、均一に温まります。だから、思い切ってカロリーを与えられる。長時間でなければ高温にさらされても比較的大丈夫。ということは、他の産地に比べて、大粒の豆でも焙煎しやすくなります。焙煎中にいろいろやることができます。ということは、焙煎の幅だけで考えても、いろいろなバリュエーションが可能で、それだけで多彩な楽しみ方ができる。比較的浅い煎りでも完熟に近い豆のいいところも引き出しやすい。高地産の豆の評価がいろいろな面で高いのは、焙煎の自由度が高いことが相当程度、影響していると考えられます。別の言葉で言えば、失敗しにくいのです。ただ、そもそも固いとされる豆は生育条件そのものが大きく違い、豆の中の成分自体も濃密な可能性があります。

例えていえば、上質のワインが取れる畑があるように、コーヒーにもおなじことがいえるはず。

コーヒーの固さの話をしだすと、どうしても単純な物理的な密度以上の影響の
大きさがのしかかってきます。
そもそもこのいらへんは、カロリーのかけ方(焙煎のスタイル)の話であって、カロリーの量の話ではなくなってくるところです。

ここもあまり深煎り、もとい深入りしすぎない方が身のためかもしれません。